2024.11.26
施設の介護について

老人ホームの個室レイアウト完全ガイド|家具選びと快適な配置のコツ

施設の介護について

老人ホームの個室の広さと形状

高齢者にとって老人ホームとは、福祉サービスを受けるための介護施設から、新しい人生の住み替えの場など様々な種類があります。そして個室といっても広さや設備に違いがあるので、気になる老人ホームがあればインターネットや現地への見学などで、十分情報収集したうえで契約することが重要です。

この記事では、意外に知られていない老人ホームごとの個室の特徴やレイアウトする上でのポイント、家具選びで失敗しない方法についてご紹介します。

施設ごとの個室の広さの違い

老人ホームの居室面積は、あらかじめ法律により一定の基準が設けられています。一般的な老人ホームとその面積基準を紹介します。

個室レイアウト

介護保険施設である特別養護老人ホームやグループホームは、民間ホームに比べて狭い基準になっています。その理由は、日常的に部屋の中で介護がおこなわれるため、高齢者のプライバシーを守るためだったり、運用面でのコスト削減、効率的な介護を提供したりするためです。しかしその分、食堂やリハビリ室、廊下など共有部分は広く、個室とは別に過ごす空間が建物の中に用意されています。

一方サービス付き高齢者住宅や有料老人ホームは、入居者が各個室の中で生活環境を充実させたり、快適性を重視したりするため広く設計されています。

個室レイアウトこちらはアクタガワのそれぞれのブランドごとの居室です。介護付き有料老人ホームのプレミアムハートライフ、サービス付き高齢者向け住宅のハートライフ、グループホームのハートフルホームの3種類です。介護付き有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の居室面積は18㎡となっております。

サービス付き高齢者向け住宅については、ハートライフにおいては入居者が共用で使用するのに十分な広さのリビングやキッチン、浴室などが別で設けられているため、居室の最低面積が18㎡(約11.5畳)となっていますが、台所・水洗便所・収納設備・洗面設備・浴室が居室内にあるサ高住では最低面積が25㎡(約16畳)と決められております。

介護付き有料老人ホームとは?安心の介護サービスをわかりやすく解説

個室に備わっている設備の確認ポイント

面積基準は国が定めた基準となりますが、設備については具体的に示されていません。ですから備え付けの設備や家具、居室環境は施設によって異なるため、「標準で何が設置されているのか」という視点で老人ホームを選ぶことも一つの方法です。

では、入所する前に個室に備わっている一般的な設備の確認ポイントをご紹介します。

コンセントの場所

電化製品や電動ベッドなどコンセントの場所によって、ある程度設置する場所が決まります。テレビとソファとの距離間、ベッドと窓の位置など、個室での暮らしをイメージしながら、コンセントがどこにあるかを確認することはとても重要です。

Wi-Fi設備の有無

パソコンやスマートフォンを日頃から使用している方や、スマート家電を使う場合にWi-Fi設備は欠かすことができません。あらかじめWi-Fi環境があるかどうかも確認しましょう。

万が一ない場合は、自分で用意することができるか、ということも把握しておくとよいでしょう。設置にあたって工事が必要な場合がありますので、費用負担や原状復帰についても注意が必要です。

エアコン

老人ホームの中には、ビルトイン型エアコンなど空調設備が事務所で一括管理されているところがあります。ビルトイン型エアコンの場合、誤作動や温度設定のミスを防ぐことができたり、見た目がシンプルなので圧迫感を感じないというメリットが挙げられます。

一方、家庭用のエアコンが各部屋に設置されているホームもあります。こちらは自分の体調に合わせてモードや気温が操作できる点がメリットといえますが、フィルタの掃除や故障など自分で対応することになるため、老人ホームがどこまでサポートしているか確認しましょう。

洗面、トイレ

老人ホームの個室には、トイレ、洗面台が設置されているところがほとんどです。特にトイレは、日中だけでなく夜中にも使用することを想定しましょう。ベッドとトイレの動線をイメージしたうえで家具などの配置を決めることもおすすめします。

車いすを使用する場合の配慮

ケガをしたり足腰が弱ったりした場合、移動には車いすや歩行器を使用することを想定しておきましょう。

一般的な車いすの寸法は幅が64cm、前後が104cm、高さは88cmあります。その車椅子に座って自分が操作する場合は、さらに空間が必要になります。また照明スイッチの場所やトイレへの行きやすさなど、車いすを利用しても快適に過ごせる環境になっているか、という点は確認が必要です。

専門的なことが分からなければ、老人ホームのスタッフに「実際に車いすの人がいるか」「車いすの方がどのような生活を送っているのか」聞いてみることも一つの方法です。

静岡有料老人ホーム_資料請求

老人ホームに持ち込むと便利な家具と家電

この章では、老人ホームでの生活において暮らしの質をさらに上げる家具や家電をご紹介していきます。             

持ち込み家具のおすすめアイテム          

老人ホームの中には、ベッドや収納ボックス、タンスなどがあらかじめ用意されている場合があります。とはいっても長年愛用してきた家具やこだわりのアイテム、趣味に囲まれて暮らしたいという方も多いのではないでしょうか。

テレビ

薄型のテレビはスペースを有効活用できるのでおすすめです。軽量設計のため、ベッドで横になっても見られる位置に置いたり、壁に設置することも可能です。手ごろな値段で購入できるので、持込には適している家具の一つです。

大きな画面のテレビを持ち込みたいという方もいるでしょう。音量など周囲への配慮は必要ですが、老人ホームでの暮らしを快適にするためにも、今までの生活で特にテレビにこだわっていた方は、こだわり続けたいところです。

家具全般に共通することですが、地震対策は必ずしておきましょう。テレビは特に転落しやすい電化製品です。家具とテレビをベルトで固定したり、転落防止シートを敷いたりして、落下対策をしておくことで、寝ているときにテレビが頭上に落ちてくることを防げます。

冷蔵庫

購入したおやつや差し入れでもらった食品を保管しておくのに冷蔵庫は欠かせません。「自宅で使っていた冷蔵庫がまだ使えるので持ち込みたい」という方や、「冷蔵庫だけでなく冷凍庫もつけたい」という方もいるでしょう。個室に設置スペースがあるか、室内での移動に差支えないか、ということも事前に確認が必要となります。

もしも小型タイプで、大量のものを入れないということであれば、45リットル前後の小型冷蔵庫で十分です。

加湿器

老人ホームは常に室温を一定に保つため空調設備が稼働しています。そのため空気の入れ替えの機会が少なく、どうしても湿度が下がってしまう傾向にあります。

また高齢者は加齢によって皮脂が減少し、乾燥によるかゆみや感染症への抵抗力が下がってしまいますので、湿度を十分に保つ対策が必要です。

入所している方の中には、室内で洗濯物を干すなどして湿度を上げようということもありますが、生乾きの臭いや衣類が乾きにくいという弊害もあります。

可能であれば、スチーム式の加湿器は手入れも楽で持ち運びできるので、購入することをおすすめします。

タンスや収納ケース

すべての老人ホームでタンスが設置されているとは限りません。仮に設置してあったとしても、使い勝手が悪い、収納スペースが足りないかもしれません。そういった場合には、新しいタンスを購入したり、使い慣れた自宅のタンスを持ち込むことも検討しましょう。

ちなみに、老人ホームに自分でタンスを持ち込む際に、気を付けるポイントは3つです。

  • ・収納スペースは大きいほうがよい
  • ・安定感のあるタンスを選ぶ
  • ・使い慣れたものを優先する

老人ホームでは季節に応じて衣替えをおこないますが、個室、共用部ともに保管場所がない場合、家族が持ちかえる必要があります。とはいえ、それができない場合、荷物を減らすか、自分で保管せざるを得ません。そのため、収納はできるだけ大きいものを選ぶことをおすすめします。

また安定感のあるタンスは、足元がふらついた時にタンスに寄りかかって転倒を免れたり、タンスを伝うことで歩行を手助けしてくれたりすることがあります。本来の目的とは違いますが、転ばぬ先の杖のようにタンスのおかげで、室内での事故を防げた事例も実際にあります。

ベッド

高齢になると、洋式の生活スタイルの方が足腰への負担が軽減されるといわれています。畳生活の場合、立ち上がりや寝起きする際はつかまる所がなく、ふらついて転倒するリスクもあがります。

内閣府がおこなった「令和5年度高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果」では、身体機能の低下に備えて畳での布団敷きから、ベッドへの変更を全体の37%の人が考えていると回答しています。

介護保険制度において、介護用ベッドのレンタルや手すりの設置工事などに金銭的な補助が出るのも、そういった生活のしやすさをサポートすることが目的となっているためです。そういう意味では、老人ホームへの入所は生活様式を見直すひとつのタイミングともいえるでしょう。

電動ベッドの場合、角度調整をリモコンでできるので、寝た状態から頭を起こしてくれたり、立ち上がりやすい高さにベッドを調整してくれたりするので、寝起き・立ち上がり動作での身体的な負担を減らしてくれます。同時に、手伝ってくれるスタッフにとっても無理な姿勢での介助や腰痛の予防に効果があるため、ベッドの導入はメリットがあるといえます。

入所する方の中には、自宅で使い慣れているベッドの持ち込み希望をする場合もあるでしょう。もし老人ホームでベッドが用意されていた場合でも、使い慣れたベッドが持込可能かどうか、担当者に尋ねてみましょう。

持ち込み家具のおすすめアイテム

上記で説明したもの以外で、入居時に居室に持ち込むのにおすすめのアイテムをご紹介します。

座椅子

居室内でくつろぐために、座椅子を持ち込まれる方も多いです。ベッドに座るには背もたれがなく心もとないですが、頭までしっかりと支えられる高座椅子があると安心して部屋でくつろぐことができます。テレビを見る際や読書や趣味の時間などに入居者の方がゆったりと座ることができ、また立ち上がりがしやすいものを選ぶと体の負担も少なくなります。

サイドチェスト

就寝時、ベッド横の枕元に時計や眼鏡を置きたい方も多くいらっしゃると思います。ちょっとした物置きとしても、ベッド横のサイドチェストは人気があります。テーブルとしても活用できるため、サイドチェストがあると便利です。

これらのおすすめの品を一度に準備するのは容易なことではありません。また、入居の際には何かと物入りになります。当社では、公式サイトからお問い合わせをいただき入居が決定された方に、成約特典として入居時にあると便利な家具家電最大10万円分を進呈する企画を行っています。おすすめのアイテムとして挙げた家具家電なども選ぶことができます。詳しくはこちらで説明しています。

高齢者に優しいインテリア選びのポイント

あらたに家具を購入する場合、高齢者にとって優しいインテリアを基準に選びましょう。

具体的に「優しい視点」とは、①安全性が高い、②使いやすい、の二つがポイントです。

たとえば、家具の素材を見てもプラスチック製から木製など多様にあります。自分の好みも大切ですが、「軽量で安定感がたりない家具」を避け「開け閉めや操作がしやすい家具」を選ぶという視点で探してみてはいかがでしょう。

その他、入居に必要なものはこちらで詳しく説明しています。

老人ホーム入居の際に必要となるもの

老人ホームでの快適なインテリア・レイアウトのコツと注意点

政府広報オンラインサイト」によると、室内の転倒事故で多いケースは、電気コードに引っかかったり、こたつの端に足を取られたりする場面です。

室内とはいえ、1回の転倒が大けがにつながりますので、レイアウトを考える上での参考にしてください。

安全性を考慮したレイアウトのポイント          

レイアウトを検討する際には、「快適に過ごすこと」だけでなく、「安全な環境」に気を付けておくことが重要です。

次に紹介する安全対策のポイントを抑えたうえで、自分好みの部屋や落ち着くレイアウトを考えてみましょう。

安全対策その1

「部屋のどこにいても、手を伸ばすとタンスやベッドなどに触れられる」

これは、狭い部屋や部屋中に家具の配置をおすすめしているわけではありません。前章で安定感のあるタンスをおすすめしたように、ふらついた時などとっさの際に家具が杖代わりになることがあります。入居して間もない時期は夜中のトイレも不安に感じますので、安全な移動経路を確保する際に、家具をどう配置するかということも考えましょう。

安全対策その2

「転倒しやすい履物や滑りやすい床、敷物に注意する」

家具の配置や安全な空間も重要ですが、部屋の中とはいえ滑って転倒する危険はあります。出入り口にマットを敷く場合はすべり止めシートを敷いたり、履物はスリッパやサンダルではつま先が床にひっかかったりするので、かかとのある靴を選ぶことが大切です。

また、床にものを置かないことも忘れてはいけません。なぜなら新聞や雑誌でつまづくことがありますし、取ろうとしてしゃがんだ際にふらつく場合があるからです。家具の配置と合わせて、足元対策も心がけましょう。

落ち着ける色合いやインテリアでの工夫

自分が好きな色や好みの雰囲気をインテリアに取り入れると気分が落ち着きます。人によっては、派手な色やシックな色、モノトーンなど好みがあるでしょう。

また絵画や写真、動物のぬいぐるみなど、ご自身がリラックスできる小物などを飾れば、「自分らしい部屋」が演出できます。

老人ホームの個室は自分の自宅ですので、たまにはスタッフやお友達を招いて、おしゃべりする時間やゆったりお茶を飲みながら過ごしてみてはいかがでしょうか。

コールボタンの位置を意識する  

困ったときにスタッフが呼べるようコールボタンが設置されている老人ホームは多いです。入居している方がボタンを押せば、スタッフに部屋番号を知らせてくれるものや、スピーカーを通じて部屋とスタッフが会話できるタイプがあります。もしも部屋で転倒して助けてほしい、といった緊急の場面ではコールボタンは非常に役立ちます。

実際に個室が見学できるのであれば、コールボタンの位置や機器の特徴を確認しながらベッドの場所を決めたり、ソファの位置など安楽で安全な過ごし方を想像されることをおすすめします。

施設のスタッフとの協力で安心できる居住空間を実現

施設のスタッフは、老人ホームで暮らしている入居者のお部屋の環境やレイアウトもよく知っています。と同時に、どういったところが危険か、ということも把握していると思います。

もし具体的に入居したい老人ホームが決まれば、入居前から相談に乗ってもらえるか確認しましょう。これだけは持っていきたい、こんな部屋にしたい、など細かいことでも相談しながら、施設のスタッフさんと一緒に安心できる住まいづくりを楽しみましょう。

【参考】

令和5年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果|内閣府

「たった一度の転倒で寝たきりになることも。転倒事故の起こりやすい箇所は?」|政府広報オンラインサイト

アクタガワのWEB限定申し込み特典

アクタガワの公式サイトからお問い合わせをいただき入居が決定された方にはweb限定の入居成約特典があります。入居時にあると便利な家具や家電などが揃っており、お選びいただいた商品は入居施設の居室にお届けいたします。

困ったら専門家に相談

老人ホーム探しは専門的な知識などがないと難しい部分や不明点が多くあると思います。施設入居に限らず、介護のことでお困りごとがありましたら専門家に相談することをお勧めします。ケアマネジャーに相談していただくのもひとつですが、アクタガワでは無料の介護相談も行っています。

介護の専門家が入居に関することだけでなく、介護保険の申請や在宅にて利用できる介護サービスについても介護のあらゆるお悩みにお答えします。ぜひお気軽にご連絡ください。アクタガワのぺんぎん介護サポートセンター(外部リンク)

静岡有料老人ホーム_資料請求