2021.10.13
施設の介護について
社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者
増田 高茂(ますだ たかしげ)

認知症と施設入所

施設の介護について

ご自宅での介護が大変になる理由の一つに認知症があります。忘れてしまう、理解できない、思い込みなど、同居するご家族様にとっても日常生活に様々な支障が出ることも少なくありません。認知症により施設に入居する方も多い中で、施設ではどのような対応をしているのか説明します。

認知症の高齢者は特別なことではありません

自立の方を対象とした施設を除き、老人ホームでは認知症がある方が入所してくることは珍しいことではありません。入所にあたりどのような認知症症状があるのかは事前に確認し、ケアマネジャーと相談しながら対応を決めていきます。認知症にも軽度・中度・重度とその度合いは様々なので、テーブルのグループもそれぞれの度合いに合わせて分けているところが多いです。

施設の対応

認知症ケアの基本として本人の困っていることなど、気持ちに対する理解と共感の上、その気持ちに沿った対応をしていくという方法があります。否定せず、その人の感じている気持ちに沿って理解を示し、対応していく方法です。物が無くなったと話す方には一緒に探し、時には職員を孫だと勘違いしている方には孫として接するようなこともあります。本人が納得し、心穏やかに生活するにはどのような対応が正しいのか、施設の職員は試行錯誤しながら対応しています。

問題となる行動

施設における認知症の症状で困ることには

・徘徊して他の方の部屋に入ってしまう

・大声で叫ぶ

・便などを触ってしまう不潔行為

・食べ物で無いものを口に入れてしまう異食行為

などが挙げられます。これらは職員が注意を払い、気持ちに寄り添った対応をすることで収まることがあります。

また、認知症により自身の下肢筋力の低下などを理解できず、一人で歩き転倒してしまうといった事故も発生しがちです。日中は職員が見守ることもできますが、夜間、居室で一人になった時間などはリスクが高まります。

そんな認知症の対応で特に難しいのが、周囲に対し攻撃的になる他害行為や自らを傷つける自傷行為です。これらは、職員の接し方だけでは十分な解決とならない場合もあります。そのような時には医師と相談しながら対応しますが、運営方針として比較的軽度者を中心としているなど、施設によっては対応できず、他の施設への入所を勧められる場合もあります。

グループホームについて

グループホームは正式名称を認知症対応型共同生活介護と言い、認知症の介護を専門とする施設です。少人数の入居者に対して手厚い人員の配置が求められ、入居者本人の気持ちにより沿ったケアがしやすい施設です。入居者の状態によってはグループホームがより適切なケアをしやすい場合があるので、ケアマネジャーさんと相談しながら施設を選ぶのが良いと言えます。

認知症の方の施設入所について

元気な方であっても引っ越しによる環境の変化は精神的ストレスが高まりやすいものです。施設入所も同様にストレスが発生する行為で、特に認知症などで自分が施設に入る必要性を認識できていない方には大きなストレスとなります。そのため、入所に際して認知症の症状が一気に進んでしまうという可能性もあります。施設職員もそれらに配慮し、可能な限りの対応をしていますが、施設入所が必要な際はそのようなリスクがあることも理解しておく必要があります。

アクタガワの施設の認知症対応について

アクタガワの施設では認知症専門の研修を受けた職員が多数配置されています。お客様一人ひとりに寄り添い、不安に感じていることや困っていることの理解に努めています。その不安や困りごとに対し、カンファレンスなどからチームで対応し、安心して生活できる環境を整えています。

浜松市老人ホーム_認知症ケア

 

浜松市老人ホーム_静岡
社会保険労務士 介護支援専門員 介護福祉士 第二種衛生管理者
増田 高茂(ますだ たかしげ)

多くの介護事業所の管理者を歴任。小規模多機能・夜間対応型訪問介護などの立ち上げに携わり、特定施設やサ高住の施設長も務めた。社会保険労務士試験にも合格し、介護保険をはじめ社会保険全般に専門知識を有する。現在は、介護保険のコンプライアンス部門の責任者として、活躍中。