施設は自宅。住民票の移動はどうする?

2021.10.13

施設入所の相談の際によく聞かれるのが「住民票はどうしたらいいですか」という質問です。住民票は基本的には住んでいる場所に移すのが原則となりますが、ご家庭の事情により住民票を移すことが難しいケースがよくあります。施設入所にあたり住民票を移す必要性について説明します。

施設のある市町村のサービスを利用したい場合

先ほど述べた通り住民票とは本人が住まう場所にあることが原則となりますが、義務ではありません。そのため、住民票を移さずに入居する方も多いのですが、施設の運営スタイルによっては、施設に住民票を移すようお願いされる場合もあります。たとえば

・要支援の方がサービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームで、施設併設の介護予防サービスを利用したい場合

・サービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームで地域密着サービスを利用しながら入居する場合

などが挙げられます。要支援の方が利用できる介護予防サービスは住民票のある地域の事業者しか利用することができないため、そのままでは施設併設の介護予防サービスを利用することができません。また、地域密着サービスはそのサービスを提供する事業者と同じ市町村に住民票が無ければ利用できないため、利用したい場合は住民票を移す必要があります。

住所地特例制度

住所地特例とはそれまで住んでいた市町村とは異なる場所の施設に入所する場合、その介護保険の利用料をもともと住んでいた自治体に請求できる制度のことです。介護保険では介護費の自己負担分以外の利用料を、国・県・市町村が一定の割合で負担することになっています。しかし、施設入所のために別の市町村に移ったことで、その負担が施設のある市町村となってしまうことは公平ではないため設けられている制度です。

住所地特例が適用される施設は、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、軽費老人ホーム(ケアハウス)、養護老人ホーム、有料老人ホーム(介護付・住宅型)、サービス付高齢者向け住宅(一部対象外)が該当します。

住所地特例を利用するメリットは、自治体ごとに保険料は異なるため、それまでの自治体のほうが、保険料が低い場合などは、負担を小さくすることができます。

グループホームの場合

グループホームは介護保険制度上の地域密着サービスに該当します。地域密着サービスとはその名の通り、地域の方が住み慣れた街で暮らすことを目的としているため、施設と同じ市町村に住民票があることが求められています。

まとめ

施設入居にあたっては、住民票の問題だけではなく、一人暮らしの方なら空き家となってしまう家のことや、場合によっては遠方から家族を連れてこなければならないようなケースもあります。介護認定で支援となってしまう可能性があるような方は一層注意が必要となるので、施設の相談員やケアマネジャーと相談しながら慎重に話を進めることをお勧めします。